2026.02.10
UA値とは?目安と地域別基準をやさしく解説|0.60・0.46の意味
家の性能を比べていると、UA値(外皮平均熱貫流率)という言葉をよく見かけます。0.87W/m²kや0.60W/m²kのように数字が並ぶものの、「結局、何がどう変わるの?」と迷いやすい指標でもあります。
この記事では、UA値とは何かを基礎から整理し、UA値の目安(0.87/0.60/0.46/0.26)が暮らしに与える影響、そして地域別の基準の考え方まで、注文住宅の検討に直結する形でまとめます。数字の比較で終わらず、打合せで確認すべきポイントまで落とし込むのがゴールです。
結論(先に3行で)
- UA値=家から逃げる熱の平均(小さいほど断熱が高い)
- 判断は“地域区分×断熱等性能等級”で(数値単体で断定しない)
- 6地域の比較軸は0.60W/m²k(等級5)/0.46W/m²k(等級6)が目安(※前提条件は揃えて比較)

UA値の見方を知ると性能比較がしやすくなります
UA値とは?外皮平均熱貫流率をやさしく解説
UA値は、注文住宅の断熱性能を語るときの「基本のものさし」です。難しく感じる場合は、まず家の中の熱が、外にどれくらい逃げやすいかを示す数値だと捉えると理解しやすくなります。
UA値は「家から逃げる熱の平均」を示す指標
UA値(外皮平均熱貫流率)は、壁・屋根(天井)・床・窓・玄関ドアなど、家の外側(外皮)を通って室内の熱がどれくらい外へ逃げるかを、家全体で平均した指標です。
ポイントは「平均」というところです。窓だけ良くしても、壁や床が弱いと全体の平均は上がってしまいます。逆に、全体をバランスよく整えると、家中の温度差や足元の冷えといった“暮らしのストレス”が出にくくなります。

UA値は家全体から逃げる熱の平均を表します
UA値の単位W/m²kと「小さいほど良い」の意味
UA値の単位はW/m²kです。細かな定義を覚える必要はありませんが、実務上はUA値が小さいほど、熱が逃げにくく断熱性能が高いと考えて問題ありません。
ただし、ここで注意したいのが「UA値が良い=必ず光熱費が激減する」とは言い切れない点です。後ほど詳しく触れますが、日射の入り方、換気、空調方式、住まい方でも結果が変わります。それでもUA値は、快適性と省エネの土台になる重要な指標です。
UA値の目安(0.87/0.60/0.46/0.26)で何が変わる?
UA値がW/m²kという単位で示されると、数値の差が小さく見えてしまいがちです。ですが、住まいの体感に関わるのは「平均室温」だけではありません。実際に差が出やすいのは、温度ムラや冷えポイントです。
体感で変わりやすいのは「温度ムラ」と「冷えポイント」
同じ暖房設定でも、UA値が良い(小さい)ほど、外気の影響を受けにくくなります。その結果、次のような体感差が出やすくなります。
- 窓際・外壁側に近づいたときのひんやり感が出にくい
- 廊下・洗面などの冷え込みが緩和されやすい
- 暖房を止めた後の室温の下がり方が穏やかになりやすい
特に子育て世帯では、リビングだけでなく洗面・脱衣・寝室など、生活動線の中で温度差が小さいほど、日々のストレスが減りやすいです。UA値は、その前提を整える指標だと捉えると実感に結びつきます。
光熱費はUA値だけで決まらない(でも土台になる)
光熱費は、UA値に加えて、設備の効率(エアコン・換気)、日射の入り方、家族の在宅時間、設定温度などでも変わります。つまり、UA値は「結果を左右する要因のひとつ」です。
それでもUA値を確認する価値が高い理由は、土台(熱が逃げる量)を小さくできれば、同じ快適性を保つためのエネルギーを減らしやすいからです。たとえば設備を良くしても、外に熱が逃げやすいと効率は上がりにくくなります。逆に、外皮が整っていれば、設備の性能を活かしやすくなります。
地域別の考え方:地域区分と基準値の見方
UA値の「目安」を理解するうえで欠かせないのが、地域別(地域区分)の考え方です。日本は気候差が大きいため、国の基準も地域区分(1〜8地域)で分かれています。
同じUA値でも地域で「意味合い」が変わる理由
寒い地域ほど、断熱性能に求められる水準が高くなる傾向があります。反対に暖かい地域では、冬の熱の逃げにくさだけでなく、夏の日射の入りやすさ(遮蔽)も重要になります。
つまり、UA値だけを見て「良い/悪い」を判断するのではなく、その地域区分での基準と照らすことで初めて“比較できる数値”になります。

地域区分によってUA値の基準が異なります
6地域(埼玉・東京など)のUA値目安:等級4〜7
埼玉県西部や東京都西部は、一般的に6地域に該当するケースが多く(例:狭山市・所沢市・入間市など)、代表的な地域として扱われることもあります。ここでは、6地域におけるUA値の目安を整理します。
| 断熱等性能等級 | 6地域のUA値目安 | 暮らしのイメージ(目安) |
|---|---|---|
| 等級4(省エネ基準の目安) | 0.87W/m²k | 最低基準としての位置づけ。間取りや設備で体感差が出やすい |
| 等級5(ZEH水準の目安) | 0.60W/m²k | 冷暖房の効きやすさが上がり、温度ムラを抑えやすい |
| 等級6 | 0.46W/m²k | 快適性と省エネのバランスが取りやすい。仕様の比較軸になりやすい |
| 等級7 | 0.26W/m²k | かなり高い外皮性能。コストと設計の工夫が重要 |
※上記は「目安」です。実際は建物形状、窓面積、仕様の組み合わせで数値が変わります。
たとえば0.46W/m²kは、6地域では等級6の目安に該当します。数値だけを見るのではなく、「その地域でどの等級相当なのか」をセットで把握すると、ハウスメーカー・工務店の比較が一気にしやすくなります。
UA値を良くする(下げる)ための優先順位
UA値を改善するために何から手を付けるべきかは、コストにも直結します。闇雲に“全部高性能に”ではなく、効きやすい順に検討すると、納得感のある家づくりになりやすいです。
最優先は窓:同じ費用でも効きやすい
断熱設計の定番ですが、UA値に対して影響が大きいのは窓です。理由は、壁や屋根よりも窓の断熱性能が低くなりやすく、さらに面積の取り方次第で“弱点”になりやすいからです。
具体的には、サッシの種類(樹脂/アルミ樹脂)、ガラス(Low-E複層、トリプルなど)、窓の大きさ・配置で、UA値と体感は変わります。大開口を希望する場合は、窓の仕様と日射のコントロールをセットで考えるのが現実的です。

UA値改善は窓の検討が効きやすいポイントです
屋根・壁・床は「連続性」と施工品質がカギ
屋根・壁・床は面積が大きい分、仕様が効いてきます。ただし、カタログ上の断熱材グレードだけでなく、断熱の切れ目(欠損)を作らないこと、気流止め・取り合い部の施工品質が重要です。
「数値としてのUA値」と「暮らしの体感」がズレるのは、この施工品質の差が影響することもあります。設計段階で数値が良くても、現場の納まりが弱いと温度ムラが出やすくなるため、現場管理の考え方も含めて確認できると安心です。
UA値とC値はセット:計画換気と温度ムラに直結
UA値が断熱(熱の逃げにくさ)だとしたら、C値は気密(すきまの少なさ)です。気密が低いと、せっかく断熱を整えても、すきま風で体感が落ちたり、計画換気が安定しにくくなったりします。
そのため、注文住宅の検討ではUA値とC値をセットで確認しておくと、完成後の納得感につながりやすいです。数値目標だけでなく、測定の有無や、どのタイミングで測るか(全棟かどうか)も比較ポイントになります。
UA値の数字だけで判断しないチェックポイント
UA値は重要ですが、UA値の数字だけで「この家は快適」と決め切るのは少し早いです。体感を左右する要素を押さえると、比較がより実務的になります。
日射の入り方(ηAC値)と窓配置で夏の快適性が変わる
特に6地域のようなエリアでは、冬の暖かさと同時に、夏の暑さ対策も重要になります。窓から入る日射は、室温を上げる大きな要因です。
日射を「取り入れる/遮る」の設計ができているかで、同じUA値でも夏の体感が変わります。庇(ひさし)や外付けブラインド、窓の方角と大きさのバランスは、数値だけでは見えにくい比較点です。
空調方式・換気方式で「同じUAでも体感差」が出る
同じUA値でも、空調方式(各室エアコン/全館空調など)や換気方式(第1種換気など)で、室温のそろい方や湿度感が変わることがあります。とくに、家全体の温度ムラを抑えたい場合は、外皮性能+空調・換気の設計のセットが大切です。
間取り(吹き抜け・リビング階段)と温熱の相性
吹き抜けやリビング階段は、開放感が魅力です。一方で、空気の動きが大きくなるため、断熱・気密・空調の設計が合っていないと、上下温度差が出やすいこともあります。
やりたい間取りがあるほど、UA値を“最低限の数値”として見るのではなく、暮らし方に合わせた性能設計として捉えると、後悔が減りやすいです。
打合せで失敗しないための確認リスト
顕在層の方ほど、「数値は見たけれど、何を確認すれば同じ条件で比較できるのか」が次の悩みになりがちです。ここでは打合せでそのまま使えるチェックをまとめます。
UA値は「どの仕様・どの前提」で計算している?
- 提示されたUA値は標準仕様か、オプション込みか
- 窓の仕様(サッシ・ガラス)と面積は提案プランの実数か
- 同等比較のために、他社比較では「同じ延床・同じ窓面積」で見直せるか
同じ「0.46W/m²k」と書かれていても、前提が違うと意味が変わります。比較するときは、仕様とプランがそろっているかを必ず確認しておくと安心です。
見積もりと性能がズレる典型パターン
- 初期提案は高性能窓だが、見積調整で窓仕様が下がる
- 大開口や吹き抜け追加でUA値が想定より上がる
- 外皮は良いが、気密確認がなく温度ムラが残る
このズレは“悪いこと”ではなく、家づくりではよくある調整です。大切なのは、調整のたびに「UA値(外皮平均熱貫流率)」「気密(C値)」「空調計画」のバランスが崩れていないかを、担当者と一緒に確認することです。

数値だけでなく、確認方法も比較ポイントです
よくある質問(Q&A)
- UA値は、いくつ以下なら「高性能」と言えますか?
- 地域区分で基準が異なるため、「その地域で何等級相当か」で判断するのが分かりやすいです。6地域なら0.60W/m²k(等級5)や0.46W/m²k(等級6)が比較の軸になりやすいです。
- UA値が良いのに寒い(暑い)家はありますか?
- 可能性はあります。日射の入り方、窓の位置、気密(C値)、換気・空調計画によって体感は変わります。UA値は土台ですが、設計全体で整えることが大切です。
- UA値とC値、どちらを優先すべきですか?
- どちらか一方ではなくセットで考えるのがおすすめです。UA値は熱の逃げにくさ、C値はすきまの少なさで、計画換気や温度ムラに影響します。測定の有無も含めて比較すると安心です。
- UA値の数字は、打合せのどのタイミングで確認すればいいですか?
- できれば「間取りが固まる前」と「仕様確定前」の2回がおすすめです。窓面積や仕様で数値が変わりやすいため、変更が出たら都度確認してもらうと比較がブレにくくなります。
関連リンク(家づくりの比較・実例を見る)
UA値の理解が進んだら、次は「実際の家づくりでどう活かされているか」を見てみると、判断が早くなります。
アップルホーム注文住宅のご案内
アップルホームの注文住宅は、外皮性能(UA値)だけでなく、気密(C値)や換気・空調まで含めて、暮らしの快適性をトータルで整える考え方を大切にしています。仕様やプランによって最適解は変わるため、まずは「目指したい暮らし」と「性能の優先順位」を一緒に整理するところから始めるのがおすすめです。
