2026.01.15
令和8年度住宅税制改正概要|住宅ローン減税で家づくりはどう変わる?

令和8年度の住宅税制改正で、住宅ローン減税はどう変わる?
※本記事は2026年1月15日時点の公表資料(国土交通省が公表した「令和8年度住宅税制改正概要」および同資料のQ&A〔令和7年12月26日時点〕を含む)をもとに、制度の方向性を家づくり目線で整理したものです。実際の適用は、今後の関係税制法の成立・施行や個別要件により異なる場合があります。最終判断は税務署・税理士等にもご確認ください。
「2026年以降の住宅ローン控除はいつ決まるの?」という不安は、土地探しや間取り検討と同じくらい家づくりのスケジュールに直結します。アップルホームの過去コラム「2026年以降の住宅ローン控除はいつ決まる?—注文住宅の計画に直結する最新ロードマップ」では、税制改正が固まっていく流れ(大綱→閣議決定→法案→施行)をロードマップとしてまとめました。
そして2025年12月26日(令和7年12月26日)、住宅ローン減税等の延長・拡充が閣議決定された旨の報道があり、国土交通省からも令和8年度住宅税制改正の概要が整理されています。今回の記事では、前回のロードマップとのつながりを活かしつつ、「これから注文住宅で家づくりを進める人が、何を優先して動けばよいか」を中心に解説します。

税制の更新情報は、早めに資金計画へ反映するのが安心です
令和8年度住宅税制改正概要の要点
国土交通省が公表した「令和8年度住宅税制改正概要」では、2050年カーボンニュートラルの実現と、世帯構成の変化等を踏まえ、幅広い住まいの選択肢を提供するため、住宅取得・リフォームを後押しする税制が整理されています。住宅取得を検討する方にとって、まず押さえたいポイントは次の3つです。
- 住宅ローン減税は5年間延長(控除率0.7%)
- 質の高い既存住宅の支援を厚く(借入限度額・控除期間の拡充、対象整理)
- 床面積要件の緩和(40㎡)と、一定のハザードエリアを意識した立地要件の追加
家づくりの現場で見ていると、税制の話は「最後に確認すればいい」と後回しにされがちです。ただ、今回の整理は入居年×住宅性能×立地で扱いが変わる設計のため、注文住宅では性能と入居スケジュールを先に固めるほど、手戻りが減ります。

入居時期と住宅性能の組み合わせで、控除の扱いが変わります
住宅ローン減税は5年間延長へ:家づくりの安心材料
国土交通省の概要資料では、住宅ローン減税を5年間延長する方針が示されています。控除率は年末ローン残高の0.7%で、住宅の区分(長期優良・ZEH水準・省エネ基準適合等)により、借入限度額と控除期間が設定されています。
注文住宅は、土地探し→プラン確定→確認申請→着工→完成・入居まで、どうしても時間がかかります。制度の見通しが立つこと自体が、「入居時期から逆算して、いつまでに何を決めるか」を組み立てる材料になります。
※国土交通省の公表Q&Aでも整理されている通り、閣議決定は「政府としての実施方針」が決定された段階であり、実施は関係税制法が国会で成立することが前提とされています。
借入限度額・控除期間の全体像:新築と既存で“メリハリ”
国土交通省の概要資料の図表では、住宅ローン減税の枠が「新築/既存(買取再販等)」と「住宅性能」で整理されています。特に目立つのが、既存住宅の借入限度額や控除期間を厚くする方向性です。新築だけでなく、中古購入+リフォームも含めた住まい選びが現実的になっていることが背景にあります。
| 住宅の区分 | 新築(借入限度額) | 既存(借入限度額) | 控除期間 | 適用の考え方(入居年) |
|---|---|---|---|---|
| 長期優良住宅・低炭素住宅 | 4,500万円(子育て世帯等:5,000万円) | 3,500万円(子育て世帯等:4,500万円) | 13年 | 2026〜2030年入居 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円(子育て世帯等:4,500万円) | 3,500万円(子育て世帯等:4,500万円) | 13年 | 2026〜2030年入居 |
| 省エネ基準適合住宅 | 2,000万円(子育て世帯等:3,000万円) | 2,000万円(子育て世帯等:3,000万円) | 13年(新築は条件により10年) | 2026〜2027年入居は対象。2028年以降の新築は原則対象外(条件付きで10年の扱い) |
| その他住宅 | 原則対象外 | 2,000万円 | 10年 | 既存は対象枠あり |
また、概要資料では所得要件として合計所得金額2,000万円以下が示されています。共働きで世帯所得が上がっている場合は、「入居予定年の所得見込み」を早めに試算しておくと安心です。
※子育て世帯等:概要資料の注記では、19歳未満の子を有する世帯または夫婦のいずれかが40歳未満の世帯が想定されています。

ZEH水準など高性能住宅は、税制上も優遇されやすい設計です
「どれくらい戻る?」をざっくり把握する考え方
住宅ローン減税は、年末のローン残高に控除率(0.7%)を掛けた額が、所得税(控除しきれない場合は一部住民税)から控除される仕組みです。イメージを持つため、数字だけ先に押さえておくと判断が早くなります。
- 例:年末残高が5,000万円の場合 → 5,000万円×0.7%=35万円/年
- 例:年末残高が4,500万円の場合 → 4,500万円×0.7%=31.5万円/年
- 例:年末残高が3,500万円の場合 → 3,500万円×0.7%=24.5万円/年
※上記は「控除額の上限イメージ」です。実際は、所得税額(および住民税の一部控除上限)によって、控除しきれない場合があります。金利上昇局面では、減税額だけで判断せず、返済計画と一緒にシミュレーションすることが大切です。
床面積要件が40㎡へ:コンパクトな住まいの選択肢が広がる
概要資料では、床面積要件の下限を40㎡以上に緩和する整理が示されています(現行50㎡からの緩和)。家族構成や暮らし方が多様化している今、コンパクトな住まいも現実的な選択肢になりつつあります。
ただし、概要資料の注記と国土交通省の公表Q&Aでは、合計所得金額が1,000万円を超える場合や、子育て世帯等の上乗せ措置(借入限度額のカッコ内)を利用する場合は、床面積要件が50㎡以上になる扱いが示されています。面積だけで判断せず、「どの優遇枠を使う予定か」とセットで確認するのが安全です。
2028年(令和10年)以降の注意点:省エネ基準適合の新築は原則対象外に
家づくりの計画で特に重要なのが、2028年(令和10年)以降の入居を想定しているケースです。概要資料では、省エネ基準適合住宅のうち新築について、令和10年以降入居分から原則「支援対象外」とする整理が示されています。
ただし、国土交通省の公表Q&Aでは経過措置として、令和9年12月31日までに建築確認を受けたもの、または建築日付が令和8年6月30日までのものについては、借入限度額2,000万円・控除期間10年として適用できる可能性が示されています。注文住宅は計画期間が長いため、ここは「設計の着手時期」と「建築確認のタイミング」が重要になります。
家づくりでいえば、性能をどこまで上げておくかが、そのまま税制メリットの安定性につながります。これから設計を始めるなら、最低ラインに合わせるのではなく、ZEH水準(断熱等級5+一次エネ等級6)や、長期優良住宅の取得を視野に入れると、制度上の不確実性を減らしやすくなります。
災害レッドゾーンの立地要件:土地探しで“先に確認”したい項目
土地探しの段階で気を付けたいのが、概要資料で示されている立地要件です。土砂災害等の災害レッドゾーンに所在する新築住宅について、令和10年以降入居分から住宅ローン減税の適用対象外とする整理が示されています(ただし概要資料の注記では、建替え・既存住宅・リフォームは適用対象)。
注文住宅の場合、土地契約の後に「実は該当区域だった」と気づくと、設計変更だけでなく資金計画にも影響します。土地探しの初期に、次の確認をしておくと安心です。
- 自治体のハザードマップで、土砂災害警戒区域等に該当しないか
- 擁壁・造成が必要な敷地か(追加費用が出やすい)
- 建替えか更地新築かで扱いが変わる可能性があるか

土地購入前にリスクを把握しておくと、税制面の判断もしやすくなります
住宅ローン減税だけではない:住宅取得・リフォームの税制も延長
令和8年度の住宅税制改正は、住宅ローン減税に注目が集まりやすい一方で、概要資料(その他の住宅税制改正概要①・②)には、家計に効く制度が並びます。大きく分けると、新築の後押し、既存住宅の性能向上(リフォーム)、住み替えや再生の円滑化という方向性です。
認定住宅等の新築に関する「投資型減税」
認定住宅等を新築等した場合、標準的なかかり増し費用の10%(最大65万円)を所得税から控除する「投資型減税」が3年延長と整理されています。ローンを組まない方、借入額が小さい方にとっても検討材料になります。
新築住宅に係る固定資産税の減額(税額1/2)
住宅を新築した場合、固定資産税の税額を3年間(マンションは5年間)1/2に減額する措置が、5年延長と整理されています。入居後のランニングコストに直結するため、建物価格だけでなく、保有コストも含めた資金計画が立てやすくなります。
既存住宅のリフォーム税制(所得税・固定資産税)
一定のリフォーム(耐震・バリアフリー・省エネ・三世代同居・長期優良住宅化・子育て対応等)を行った場合、所得税額から最大80万円の税額控除、また固定資産税の減額(最大1/3〜2/3)などが整理されています。中古購入+リフォームを検討する方は、工事内容が対象要件に当てはまるかを事前に確認すると、メリットを取りこぼしにくくなります。
認定長期優良住宅の特例(不動産取得税・固定資産税)
認定長期優良住宅については、不動産取得税の課税標準から1,300万円控除(一般住宅特例は1,200万円控除)など、特例の深掘りが示されています。固定資産税の新築住宅特例(1/2減額)の適用期間を、戸建て5年、マンション7年へ延長する整理も示されています。
住み替え・再生・災害対応の特例
概要資料(概要②)には、居住用財産の買換え等に係る特例の延長、老朽化マンション再生の円滑化、既存建築物の耐震改修促進、能登半島地震の被災住宅用地の特例の延長などが並びます。家族構成の変化や住み替えを検討している場合は、住宅ローン減税だけでなく、「売却・買換え」や「再生」に関わる特例も視野に入れると判断しやすくなります。

中古購入+リフォームでも、税制優遇の選択肢があります
家づくりで失敗しないための「3つの確認」
制度が延長されても、「知らなかった」で取りこぼすのはもったいないところです。注文住宅での実務では、次の3点を押さえると意思決定が早くなります。
1)入居予定年から逆算し、住宅性能の“目標値”を先に決める
令和10年以降の整理を見ると、今後は省エネ性能が高い住宅ほど制度が安定しやすい流れです。間取りや設備を考える前に、ZEH水準・長期優良など、どの区分を狙うかを決めておくと、後戻りを減らせます。
2)証明書類の段取りを「設計段階」から組み込む
国土交通省の公表Q&Aでは、省エネ基準適合やZEH水準の証明に、建設住宅性能評価書の写しまたは住宅省エネルギー性能証明書等が挙げられています。申請時に慌てないためにも、いつ、誰が、どの書類を用意するかを工程に組み込んでおきましょう。
3)土地の立地条件は「契約前」に確認する
災害レッドゾーンの扱いは、土地を買った後では簡単に変えられません。ハザード情報の確認はもちろん、建替えか新築かの前提でも扱いが変わり得るため、早めにプロへ相談するのが現実的です。
アップルホームでは、設計・施工だけでなく、住宅ローン減税を含む資金計画の考え方も一緒に整理しながら、家づくりを進めています。「どの性能区分を狙うと安心?」「入居時期に間に合う?」など、気になる点があればご相談ください。
令和8年度 住宅ローン減税 Q&A(よくある質問)
以下は、国土交通省が公表しているQ&Aの内容をもとに、家づくり目線で要点を整理したものです。
- 本特例措置は令和8年からの実施が確定したのでしょうか。
- 国土交通省の公表Q&Aでは、税制改正大綱として政府の実施方針が決定された段階であり、実施は関係税制法の国会成立が前提と整理されています。
- 現在災害レッドゾーンにおいて建設中の新築住宅に、令和8年以降に入居する場合、住宅ローン減税の適用外になってしまうのでしょうか。
- 国土交通省の公表Q&Aでは、災害レッドゾーンの新築住宅は令和8年・令和9年入居は適用対象、令和10年以降入居は適用対象外という整理が示されています。詳細は法成立後に案内されるとされています。
- 子育て世帯で40㎡台の既存住宅を購入し、住宅ローン減税を受けたいのですが、床面積40㎡以上で合計所得金額が1,000万円以下の場合、上乗せ措置の対象になるのでしょうか。
- 国土交通省の公表Q&Aでは、床面積要件の下限は40㎡に緩和される一方、子育て世帯等の上乗せ措置(借入限度額のカッコ内)を利用する場合は50㎡以上という整理が示されています。どの優遇枠を使うかで要件が変わるため、事前確認が安心です。
- 令和10年以降に省エネ基準適合住宅である新築住宅に入居する場合、住宅ローン減税の適用外になってしまうのでしょうか。
- 国土交通省の公表Q&Aでは、令和10年以降入居の省エネ基準適合の新築は原則適用対象外ですが、令和9年12月31日までの建築確認または建築日付が令和8年6月30日までなど条件を満たす場合、借入限度額2,000万円・控除期間10年として適用できる可能性が示されています。
- 「ZEH水準省エネ住宅」に該当するためには、太陽光パネルを設置する必要があるのでしょうか。
- 国土交通省の公表Q&Aでは、太陽光パネルの設置は必須ではないと整理されています。ZEH水準は断熱等級5かつ一次エネ等級6(再エネ除く)が要件で、証明書類で性能を示す必要があります。
買取再販住宅の要件など、制度の詳細を確認したい場合は、国土交通省の解説ページも参考になります:国土交通省「買取再販」解説
関連リンク(アップルホーム)
税制改正の内容を踏まえた家づくり・住み替えのご相談は、下記もあわせてご覧ください。
国土交通省公表資料(一次情報)
制度の正式な整理や要件は、必ず一次情報(国土交通省資料)もあわせてご確認ください(PDFが開きます)。

実際の性能や空間の体感は、モデルハウス見学が近道です
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