2026.02.13
家づくりで後悔しない住宅ローンの選び方|マイホーム資金の比較ポイント
住宅ローンは「金利の低さ」だけで選ばず、総返済額と家計の安全余力をセットで比べると、家づくり後の後悔が減ります。
先に判断基準を決めてから、借入先・金利タイプ・諸費用を比較することが、マイホーム計画を前に進める近道です。
家づくりを進める中で、「この銀行でいいのかな」「変動と固定、どっちが正解?」と迷う方は少なくありません。住宅ローンは期間が長く、同じ借入額でも選び方次第で支払総額や安心感が変わるため、早めに全体像をつかんでおくと判断がブレにくくなります。
この記事では、住宅ローンを選ぶときに何を比べればよいかを、注文住宅の資金計画にも触れながら整理します。金融機関の窓口に行く前に「自分の軸」を作れる内容にしていますので、よければチェックリストとしてご活用ください。

住宅ローンは金利だけでなく総返済額と安心のバランスで比較。
結論
- 借入先や金利タイプを選ぶ前に、返済負担率と自己資金から「無理なく返せる予算」を決めます。
- 金利だけでなく、事務手数料・保証料・団信・繰り上げ条件まで含めた総返済額で比較すると迷いにくいです。
- ただし注文住宅は支払いが分かれるため、つなぎ融資や分割融資の可否を早めに確認すること
住宅ローンの選び方とは?家づくりで迷う理由
住宅ローンの「選び方」とは、単に金利が低い商品を探すことではありません。家づくりにかかる総額、支払いタイミング、将来の家計変化まで見据えて、無理なく返せる借り方に整えることです。
住宅ローンは一度借りると簡単にやり直しがきかないイメージがありますが、実際は「借り換え」や「繰り上げ返済」で見直せる余地もあります。とはいえ、最初の選択で家計の余裕がなくなると、後からの打ち手が限られてしまいます。だからこそ、最初に判断の軸(家計にとっての安全ライン)を作ることが重要です。
住宅ローンは「借りられる額」より「返せる額」で考える
住宅ローンの審査では、年収に対してどれくらい返済できるか(返済負担率)などをもとに「借りられる上限」が算出されます。しかし、その上限まで借りることが、あなたの家計にとって安全とは限りません。
家は買った瞬間がゴールではなく、住み始めてからがスタートです。固定資産税、火災保険、メンテナンス、教育費、車の買い替えなど、住まい以外の支出も続きます。住宅ローンは「借りられる額」ではなく「暮らしを守りながら返せる額」から逆算して考えるのが安心です。
注文住宅は支払いが分かれる。融資実行のタイミングも要確認
注文住宅(土地購入+建物新築)では、支払いが「土地代」「着工金」「中間金」「引き渡し時」など、段階的になるケースがあります。金融機関によっては、引き渡し時にまとめて融資実行する仕組みのため、途中の支払いにつなぎ融資や分割融資が必要になることがあります。
この点を後回しにすると、「ローンは通ったのに、着工金の支払いが間に合わない」という事態になりかねません。家づくりのスケジュールが固まり始めたら、建築会社と相談しながら、支払いタイミングに合う借入先を選ぶことが大切です。

注文住宅は支払いが複数回になるため、融資実行のタイミング確認が欠かせません。
住宅ローン選びの判断基準|先に決めるチェック項目
比較を始める前に、まずは「何を基準に選ぶか」を言語化しておきましょう。基準が決まっていないと、金利の小さな差に心が揺れて決めきれなくなりがちです。
ここでは、住宅ローン選びで多くの方が使いやすいチェック項目を、数字の目安と合わせて整理します(あくまで目安で、家計状況により変わります)。
毎月返済額の目安:返済負担率で安全ラインを作る
家計の安全ラインを作るときに便利なのが「返済負担率」です。一般的には年間返済額 ÷ 年収(または手取り収入)で計算します。
- ざっくり決めたいとき:月々返済=手取り月収の20〜25%程度から逆算
- 教育費や車の支出が大きい家庭:もう少し低めに設定して余白を確保
- 共働きで将来の働き方が変わりそう:片方の収入でも回るかを一度試算
例えば、手取り月収30万円なら、月々返済の目安は6〜7.5万円程度から検討すると、生活費・貯蓄・予備費のバランスを取りやすくなります。逆に、今の家賃に合わせて返済額を決める場合は、家賃に含まれない固定資産税や修繕費が別途必要になる点も忘れないようにしましょう。
返済期間と完済年齢:教育費・老後資金とぶつけない
返済期間を長くすると月々の返済は抑えやすい一方、利息負担が増える傾向があります。短くすると総返済額は減りやすい反面、毎月の家計がタイトになりがちです。
検討のコツは、「完済年齢」と「家計イベント」を並べて考えることです。お子さまの進学、住宅のメンテナンス時期、車の買い替え、転職や産休・育休など、家計が揺れやすい時期に返済が重ならないかを確認します。
- 完済年齢:退職時期の想定(または年金生活)と合わせて無理がないか
- ボーナス払い:前提にしすぎず、使う場合も「なくても回る」範囲で
- 繰り上げ返済の余地:毎月の家計を圧迫しない範囲で準備できるか
頭金・自己資金:諸費用と「生活防衛費」を残す
頭金を多く入れると借入額が減り、利息負担の軽減につながります。一方で、手元資金を入れすぎると、住み始めてからの出費(外構・家具家電・引っ越し)や急な出費に対応しづらくなります。
そこで意識したいのが、「諸費用」と「生活防衛費(いざというときの資金)」を残すことです。諸費用は物件や借入先で変わり、固定資産税の清算や登記、火災保険、ローン手数料など項目が多岐にわたります。まずは建築会社に「家づくり全体の資金計画表」を作ってもらい、自己資金をどこまで入れるかを決めると安心です。
金利以外のコスト:事務手数料・保証料・団信・繰り上げ
住宅ローン比較で見落としがちなのが、金利以外のコストです。金利が低く見えても、事務手数料が高い、団信の上乗せ金利が大きいなど、トータルでは差が出ることがあります。
- 事務手数料:定額型/借入額の○%型(借入が大きいほど差が出やすい)
- 保証料:一括前払い(外払い)/金利上乗せ(内払い)。どちらが得かは条件で変わる
- 繰り上げ返済手数料:ネット手続きは無料でも、窓口は有料など条件差がある
- 団体信用生命保険(団信):保障を厚くすると金利上乗せで総返済額が増えることも
比較するときは、金利だけでなく、「総返済額(返済総額)+諸費用」で並べるのがポイントです。金融機関に試算表(返済予定表)を出してもらい、同じ条件(借入額・期間・返済方法)で揃えて比較しましょう。

金利以外のコストも含めて総返済額で比べるのがコツです。
借入先と金利タイプを比較|メリット・デメリット
ここからは、借入先(どこから借りるか)と金利タイプ(どんな金利で借りるか)を整理します。いずれも「向き・不向き」があるため、家計の性格(安定重視か、柔軟性重視か)に合わせて選ぶと納得感が出やすいです。
銀行(メガ・地銀)とネット銀行:金利とサポートの違い
大手銀行や地方銀行、信用金庫などは、住宅ローンの選択肢が幅広く、対面で相談できる安心感があります。給与振込や公共料金の引き落としなど、取引状況に応じた優遇が受けられる場合もあります。
一方、ネット銀行は店舗コストが少ない分、低金利の傾向があり、申し込みから手続きまでオンラインで完結しやすいのが魅力です。ただし、対面サポートがない、審査書類の準備を自分で進める必要があるなど、「自分で判断して進めたい人向け」の側面もあります。
共働きで忙しい方は「手続きのしやすさ」、初めての方は「相談体制」を重視するなど、暮らしに合う軸で選びましょう。
フラット35:全期間固定の安心と注意点
フラット35は、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する住宅ローンで、全期間固定金利が特徴です。完済まで返済額が変わらないため、将来の金利上昇リスクを避けたい方に向いています。
注意点としては、一般的な変動金利に比べて金利が高めになりやすいこと、物件が技術基準などの条件を満たす必要があることが挙げられます。とはいえ「月々の返済がずっと一定」という安心感は、子育て期の家計にとって大きなメリットです。
金利差のイメージをつかむため、参考として、3,000万円を35年で借りた場合の試算例では、変動型のほうが当初の返済は軽くなりやすい一方、固定型は完済まで返済額が変わらないという違いがあります(条件・金利は一例です)。詳しい種類や比較ポイントは、住宅ローンの選び方ガイドも参考になります。
提携ローン・財形住宅融資:当てはまる人は要チェック
建築会社や不動産会社と金融機関が提携している「提携ローン」は、手続きがスムーズで、審査や融資実行までの段取りが組みやすいことがあります。書類提出をサポートしてもらえるケースもあり、家づくりと並行して進める上で心強い選択肢です。
また、勤務先で財形貯蓄を行っている方は「財形住宅融資」が利用できる場合があります。制度の条件や金利タイプが決まっていることもあるため、該当する方は「選択肢のひとつ」として早めに確認しておくとよいでしょう。
比較表:総返済額に効くポイントを一括確認
最後に、住宅ローンを比較するときのチェックポイントを表で整理します。気になる金融機関が複数ある場合は、この表の項目を「同じ条件」で揃えて、総返済額と安心感を比べてみてください。
| 比較項目 | 見るポイント | 見落としがちな注意 |
|---|---|---|
| 金利タイプ | 変動/固定期間選択/全期間固定のどれか | 固定期間終了後の金利・返済額の見通し |
| 金利優遇 | 給与振込・カード利用などの条件 | 条件を満たさないと優遇が外れる場合がある |
| 事務手数料 | 定額か、借入額の○%か | 低金利でも手数料が大きいと逆転することがある |
| 保証料 | 一括前払い/金利上乗せのどちらか | 返済期間や借入額で有利不利が変わる |
| 団信 | 基本保障+特約(3大疾病など)の上乗せ | 保障を厚くすると金利上乗せで総返済額が増えやすい |
| 繰り上げ返済 | 手数料の有無、ネット手続き可否 | 一部のみ無料/回数制限など条件がある場合 |
| 注文住宅の支払い対応 | つなぎ融資/分割融資/土地先行融資の可否 | 融資実行のタイミングが合わないと資金ショートのリスク |
| 相談体制 | 対面・オンライン・電話のサポート | 書類準備の負担感は想像以上に差が出る |

比較項目を揃えると、住宅ローン選びがスッと決まりやすくなります。
よくある失敗と対策|住宅ローンで後悔しないコツ
住宅ローンは、選び方を少し間違えるだけで「こんなはずじゃなかった…」が起きやすい分野です。ここでは、家づくりの現場でよく見聞きする失敗と、その対策を3つに絞って整理します。
失敗1:金利の低さだけで決め、家計が苦しくなる
失敗:当初の返済額を重視して変動金利にしたものの、金利上昇や家計イベントで余裕がなくなり、貯蓄ができなくなる。
原因:返済額の「今」だけを見て、将来の変化(収入減・教育費増・金利上昇)を織り込んでいない。
対策:変動金利を検討する場合でも、金利が上がったときのシミュレーションを一度行い、家計に耐えられる上限を把握します。余裕資金は繰り上げ返済に回せるよう、毎月の返済をギリギリにしすぎないのがポイントです。
失敗2:諸費用・外構・家具の資金が足りなくなる
失敗:建物価格だけで予算を組み、登記費用や火災保険、外構、カーテン・照明などの費用が後から膨らんで、手元資金が足りなくなる。
原因:住宅ローンに含められる費用・含めにくい費用の整理ができておらず、「現金で必要な支出」を見落としている。
対策:建築会社に総予算の内訳(本体工事・付帯工事・外構・諸費用)を一覧化してもらい、現金で支払う項目を先に確定します。家具家電は「入居時に必須/後からでもよい」に分け、優先順位を決めておくと資金ショートを防ぎやすいです。
失敗3:つなぎ融資や分割融資を後回しにして慌てる
失敗:土地購入や着工金の支払い段階になってから「ローンがまだ実行されない」ことに気づき、慌ててつなぎ融資を探す。
原因:建築スケジュールと融資実行の流れをセットで確認しておらず、借入先の対応範囲(つなぎ融資の有無など)を比較していない。
対策:土地契約・建物契約の前後で「いつ・いくら必要か」を時系列で整理し、金融機関に支払いスケジュールを提示して相談します。提携ローンや分割融資を扱う金融機関も含め、家づくりの進行に合うルートを選ぶと安心です。
住宅ローンのよくある質問(FAQ)
- 変動金利と固定金利、どちらが得ですか?
- 一概に「得」と言い切るのは難しく、重視する価値で変わります。返済額の安定を優先するなら固定、当初返済を抑えつつ余裕資金で繰り上げ返済を狙うなら変動が検討候補です。どちらでも、総返済額と家計の余白を試算して決めましょう。
- 住宅ローンの事前審査はいつ受けるのが良い?
- 土地や建物の契約前後で「予算の上限」を固めたいタイミングが目安です。注文住宅は支払いが段階的になるため、融資実行の流れ(つなぎ融資・分割融資の要否)も含めて早めに確認すると、スケジュールがスムーズになります。
- 頭金ゼロでもマイホームは建てられますか?
- 金融機関や物件条件によっては可能ですが、諸費用や入居準備費は現金が必要になる場面が多いです。頭金を入れない場合ほど、生活防衛費を残しつつ、毎月返済が無理のない範囲かを慎重に確認しましょう。
- 団信(団体信用生命保険)はどこまで付けるべき?
- 基本の団信は多くのローンで付帯しますが、特約(3大疾病など)は金利上乗せになることがあります。家族構成や既加入の保険、貯蓄額を踏まえ、保障を厚くする部分と民間保険で補う部分を整理すると納得しやすいです。
- 繰り上げ返済はいつ・いくらが効果的?
- 一般に、返済初期ほど利息軽減効果が出やすい傾向があります。ただし、手元資金を減らしすぎると急な出費に対応できません。まずは生活防衛費を確保し、手数料や手続き条件を確認したうえで、無理のない額から検討しましょう。
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