2025.11.09
2026年以降の住宅ローン控除はいつ決まる?—注文住宅の計画に直結する最新ロードマップ

制度の発表スケジュールを知ると、着工・入居計画が立てやすくなります。
「2026年以降の住宅ローン控除はどうなるの?いつ決まるの?」というご相談が増えています。結論からお伝えすると、翌年度の税制の大枠は毎年12月に与党の「税制改正大綱」で示され、続いて政府の「税制改正の大綱」が閣議決定されるのが通例です(翌年の通常国会で法案が成立し、各省庁のガイダンスが順次整備されます)。したがって2026年以降の住宅ローン控除の方向性が最初に見えるのは、原則として2025年12月と考えるのが妥当です。
本記事では、現行(~2025年入居)の制度要点と来期に向けた決定プロセス、注文住宅のスケジュールへの落とし込み方、そして家づくりで損をしない資金計画の組み方を、建築士・インテリアコーディネーターの視点で整理します。
まず知っておきたい:制度は「12月に骨子が見える」
税制改正は毎年、与党税調で年末に取りまとめ→閣議決定→通常国会提出→成立という流れで進みます。与党税制改正大綱が12月中旬ごろ、公的な「税制改正の大綱」は年末に閣議決定されるのが一般的です。実際に2024年は12月20日に与党大綱、12月27日に政府大綱が示されました。これが翌年度(ここでは2025年度=令和7年度)の税制運用のベースになります。
税制全体の決まり方(プロセス)は財務省のQ&Aでも公開されています。与党大綱 → 政府大綱(閣議決定) → 改正法案提出 → 国会審議・成立という段取りで、住宅ローン控除もこの枠組みに沿って見直し・延長がなされます。

方向性は12月、詳細は年末~年度初め以降に確定していきます。
現行(~2025年入居)の住宅ローン控除:要点だけ押さえる
基本の仕組み
住宅ローン控除は、年末ローン残高の0.7%を最長13年間(既存住宅は10年)、所得税(足りない場合は住民税の一部)から差し引く制度です。適用は「入居」年で判定します。
新築(注文住宅を含む)の主な要件
- 入居までに床面積50㎡以上(一部40~50㎡は所得要件あり)
- 入居は取得後6か月以内、その年の12/31まで居住継続
- 2024年1月以降に建築確認を受ける新築は、省エネ基準適合が原則必須(非適合は原則対象外)
これらの前提は国税庁・国土交通省の公式情報に基づきます。
借入限度額(2024・2025年入居)—一般世帯と子育て・若者夫婦で上限が異なる
| 住宅区分 | 一般世帯の借入限度額 | 子育て世帯・若者夫婦※ | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 認定長期優良・認定低炭素 | 4,500万円 | 5,000万円 | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 4,500万円 | 13年 |
| 省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 | 4,000万円 | 13年 |
| その他の住宅(省エネ非適合) | 原則0円 ※2023年末までに建築確認等なら2,000万円/10年の特例 |
同左 | 10年(特例) |
※子育て世帯=19歳未満の扶養親族あり/若者夫婦=年齢条件あり(入居年12/31時点判定)。
一般世帯の上限は国交省の説明資料・図表に明記、子育て・若者夫婦の上乗せは2025年(令和7年度)も継続と公表されています。

2024年以降の新築は省エネ基準適合が原則必須。認定住宅やZEHは上限が上乗せされます。
では「2026年以降」は?—決まる時期と読み解き方
結論:2026年以降の内容は、2025年12月の「与党税制改正大綱」で方向性が示され、年末の政府大綱(閣議決定)で整理される見込みです。制度の延長・見直しがある場合は、まずこの大綱に骨子が出ます。
また、毎年12月に「来年度の税制全体の設計」が固まり、税法改正案が通常国会で審議・成立するというプロセスは固定的です。住宅ローン控除に関する変更の可否・範囲・移行措置の有無は、この流れの中で決まります。
工務店・ハウスメーカーの解説記事でも、「延長や見直しがある場合は12月の税制改正大綱で明らかになる」との見通しが一般的で、家づくりのスケジュール調整が推奨されています。
読み解くポイント(変更が出やすい論点)
- 借入限度額の水準(上乗せ対象や上限額の調整)
- 省エネ水準の線引き(ZEH水準・省エネ基準の位置づけ)
- 対象者区分の定義(子育て・若者夫婦の範囲、所得要件)
- 経過措置(建築確認時期・入居時期に応じた扱い)

一次情報は与党大綱・政府大綱(財務省)・国交省ページで必ず確認を。
注文住宅の実務:スケジュールと制度の関係
入居時期が「適用制度」を決める
住宅ローン控除は入居年が判定の基準です。たとえば2025年12月入居なら現行制度が適用。2026年入居を予定する場合は、2025年12月の大綱→政府大綱→国交省ガイダンスの順に内容を確認し、着工・竣工・引渡しのリズムを最適化しましょう。
一般的な工程と目安
- 土地検討・資金計画(1~3か月)
- プラン設計・性能仕様の確定(1~3か月)
- 建築確認申請・融資本審査(1か月~)
- 着工(工期4~6か月:規模・仕様による)
- 竣工・完了検査・引渡し→入居
注文住宅は土地条件や外構、確認手続、設備納期で期間が伸びることがあります。「入居の6か月以内」や証明書類の準備も見落とさないよう、綿密に逆算してください。

工程ごとの余裕を確保し、入居時期と制度を整合させます。
省エネ性能の考え方—“控除”と“光熱費”の両面で得をする
2024年以降の新築は、省エネ基準の適合が原則必須です。さらにZEH水準や認定長期優良住宅は借入限度額が上乗せされ、控除メリットが増します。初期費用が上がっても、断熱・気密の性能向上は光熱費・快適性・将来価値に効くため、総支出の観点で検討するのが賢明です。
実務ヒント
- 性能証明は建設住宅性能評価書または住宅省エネルギー性能証明書で。取得手続は設計・施工者との連携が鍵。
- 仕様の迷いは「断熱等級」「一次エネルギー消費量等級」で客観評価。
- 資金は「金利タイプ・手数料・保証料」も含めて総返済額で比較。
2026年以降に向けて今できる準備チェックリスト
- 年末(12月)に一次情報を確認:与党大綱(自民党・公明党)/政府大綱(財務省PDF)/国交省の住宅ローン減税ページ。
- 入居時期逆算の工程表:設計・確認申請・工期・引渡しのクリティカルパスを明確に。
- 性能とコストの最適化:ZEH水準/認定住宅の達成可否と費用・メリットを試算。
- 証明書類の手配:評価機関・設計者とのスケ調整、発行リードタイムに注意。
- 税務は最終的に税務署へ:本記事は一般解説です。個別の税務判断は税理士等にご確認を。

控除だけでなく、金利・手数料・保証料を含め総支出で比較します。
よくある質問(Q&A)
- Q1. 2026年以降の住宅ローン控除はいつ分かりますか?
- A. 例年どおりなら2025年12月の与党税制改正大綱で方向性、その後年末の政府大綱(閣議決定)で整理されます。法案は通常国会を経て確定します。
- Q2. 省エネ非適合の新築は2026年以降も控除NGですか?
- A. 2024・2025年入居は原則NG(例外あり)と明示されています。2026年以降の扱いは大綱での方針次第。まずは省エネ基準クリアを前提に計画してください。
- Q3. 子育て・若者夫婦の上限はいつまで続きますか?
- A. 2025年入居まで継続と示されました。2026年以降も同水準かは未決で、年末の大綱を確認しましょう。
- Q4. 入居のタイミングはいつまでに?
- A. 原則、取得から6か月以内に入居し、その年の12/31まで居住が必要です。変更がない限り2026年以降も基本は同様と想定されます。
- Q5. リフォーム(増改築)でも使えますか?
- A. 使えます。工事内容・金額・返済年数など要件を満たす必要があります。別制度(省エネ・バリアフリー等の特定改修控除)との選択適用になる場合もあります。
アップルホームの家づくりサポート
アップルホームでは、資金計画・性能設計・スケジュール策定をワンチームで支援します。ZEH水準以上や長期優良住宅など証明書取得を見据えた設計計画で、制度と暮らしの両立を図ります。
参考・一次情報リンク
- 国土交通省「住宅ローン減税」ページ(制度概要・最新の注意喚起)
- 財務省「令和7年度 税制改正の大綱」(政府大綱PDF)
- 自由民主党「令和7年度 与党税制改正大綱」リリース
- 国税庁「住宅借入金等特別控除(令和4年以降)」

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