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2025.10.10

木のコト。──自然素材でつくる「木のお家」と無垢材のほんとうの話

家づくりを考えはじめた20〜40代のご家族から、「自然素材の心地よさに惹かれる」「木のお家はメンテナンスが大変?」「無垢材って実際どう違うの?」という声をよくいただきます。結論から言えば、木を選ぶことは、毎日の暮らしの快適さと、子どもたちの未来の環境を同時に選ぶこと。ここでは、アップルホームが大切にしてきた“木の住まい”の基本を、パンフレット「木のコト。」の内容をベースに丁寧にまとめました。家族の健康、住み心地、そして森の循環まで、一本の木が住まいになるまでの物語をご一緒に辿ってみましょう。


木の家と森の循環を描いたイラスト|自然素材・木のお家・無垢材の基礎

本記事は、アップルホーム制作パンフレット「木のコト。」をもとに再編集しています。

「木を選ぶ」意味──暮らしと森の循環をまるごと豊かにする

まず知っておきたい:木を切ることは悪ではなく、未来への投資

「木を切るのは環境破壊では?」という疑問はもっともです。けれども、若木は二酸化炭素(CO2)をたくさん吸収し、成長が止まった成木は貯蔵量がほぼ一定になります。だからこそ、成熟した木を伐採し、植え、育てるという循環が必要です。適切な森林管理によって、大気中のCO2削減に寄与し、地球温暖化の抑制にもつながります。パンフレットでも、若木は吸収量が排出量を上回る/成木は概ね均衡する図解で示しています。


山林での伐採作業の様子|木を切ることと再植林の関係

森を整える“間伐”が、暮らしの安全を支える

過密に植えられた林の一部を間引く作業を間伐といいます。間伐で光や風が地表に届き、根が深く張って土砂災害を抑える土台ができます。同時に、まっすぐ育つ木は品質の高い無垢材になります。「木を切る、そして森を管理する。それが生活を豊かにする」──パンフレットのメッセージの通り、木を活かすことは地域の防災や生態系保全にも直結しています。


間伐のイラスト|光・根の成長・土砂災害抑制のメリット

一本の木が住まいになるまで:「木の生産サイクル」

木は気まぐれに住まいになるわけではありません。地ならし→植林→下刈り→除伐→間伐→主伐(収穫)という段階を経て、およそ50年ほどかけて家づくりに適した材に育ちます。途中で雑草を刈り、成長を妨げる木を除き、育ちのよい木を残す。その積み重ねの先に、やっと一本の無垢材が生まれます。図解では各工程が循環図として描かれ、育林の手間と時間がひと目でわかります。


木の生産サイクルのイラスト|地ならし・植林・間伐・主伐の流れ

要点:自然素材の家づくりは、森の世代交代とともにあります。伐って、植えて、育てる。だから「木のお家」を選ぶことは、長い時間軸での環境保全に参加する行為です。

無垢材がもたらす“暮らしの実感”──温もり・調湿・経年美化

触れるたび、ホッとする温度──木の熱の伝わり方

木の内部には、肉眼では見えないほど小さな孔(細胞)が無数にあり、空気が詰まっています。空気は熱を伝えにくいため、木は断熱性・保温性に優れ、冬に素足で歩いても冷えにくく、夏もベタつきづらい。パンフレットでは、木の器で熱い味噌汁を持っても熱くないという身近な例で解説しています。暮らしで体感できる違いこそ、自然素材の強みです。


リビングの無垢床と家族|自然素材の断熱性と保温性


木のお椀で味噌汁|木の器が熱くなりにくい理由

部屋の“ちょうどいい”を保つ──無垢材の調湿作用

柱や床材などの無垢材は、空気中の水分を吸ったり吐いたりして、室内の湿度をなめらかに整えます。パンフレットでは、無垢の柱がビール瓶約6本分の水分を吸放湿するという表現でイメージを伝えています。これは木が建材に加工された後も生きている証拠。結露やカビ、ダニの発生しやすい状況を抑える頼もしい特性です。


丸太と無垢材の断面|無垢材が吸放湿するイメージ

年を重ねて美しくなる──経年美化

塗膜で覆ってしまうのではなく、無垢材を素肌で仕上げると、樹脂分がゆっくり表面ににじみ出し、色がしっとり深まります。おおよそ3〜5年で変化を感じはじめ、その後も暮らしの使い方に応じて唯一無二の表情に。キズも「時間の記録」として愛おしさに変わっていくプロセスを、パンフレットは“家族と一緒に歳をとる”という言葉で表しています。


無垢材の経年変化の見本|使い込むほど深まる色と艶

心を整える1/fゆらぎ──木目がくれるリセット時間

炎の揺らめきや小川のせせらぎと同じ自然由来のリズム、1/fゆらぎ。木目にもこのゆらぎがあり、視線をやさしく受け止めます。さらに、木の色は心理的に「あたたかさ」「やすらぎ」を感じさせ、紫外線を吸収する性質も。だからリビングの一角に無垢のカウンターを設けるだけでも、仕事や家事の合間のリセットスペースになります。

要点:自然素材の「木のお家」は、体感温度・湿度・心のリズムの三方向から暮らしを整えます。床一枚、カウンター一枚の採用でも実感は大きく、家全体に広げるほどメリットは積み上がります。

国産材の信頼──耐久性と歴史が語るもの

国産無垢材の耐久性を確かめる視点

パンフレットでは、屋外で木材を野ざらしにして経年の変化を比較した事例が紹介されています。日本の気候は四季が明瞭で、蒸し暑さや多雨もある厳しい環境。そこで育った国産材は、この環境下での建築に相性がよい──そんな文脈でヒノキ・スギなどの国産無垢材の頼もしさが語られます(出典:森林・林業学習館)。写真では経年での傷み方の差がひと目でわかり、地域の気候に合う材を選ぶ重要性が伝わります。


国産材と海外材の野ざらし比較イメージ|国産無垢材の耐久性

世界最古の木造建築が示す、木の寿命

日本が誇る木造建築・法隆寺(奈良県斑鳩)をはじめ、千年以上を経てもなお美しい姿を見せる建物が現存します。木造は劣化しやすいという通念に対して、適切な管理と修理を続ければ、木は驚くほど長寿であることを教えてくれます。家も同じ。雨仕舞い、通気、メンテナンス動線を設計に織り込めば、無垢材は時間とともに価値を増していきます。

要点:素材の耐久性は「何でつくるか」だけでなく、「どこで育った材を」「どう設計し」「どう維持するか」の総合力。国産の無垢材は日本の気候風土に合い、長く付き合える相棒です。

家族の健康を第一に──室内空気と「シックハウス」への備え

なぜ自然素材・無垢材が選ばれるのか

シックハウス症候群は、建材の化学物質が室内空気を汚染し、目の刺激、咳、アレルギー悪化などを引き起こすもの。パンフレットでは、内装・フローリングの接着剤等に含まれるホルムアルデヒドの注意点とともに、無垢材でつくる住まいの有効性が解説されています。見えない床下地などからの拡散にも目配りを──という指摘は、とても実務的です。


無垢材の天井と家族|安全で快適な暮らしの秘密

私たちは、素材選び・換気計画・納まり(ディテール)の三位一体で室内空気の質を守ります。たとえば、WELL+では無垢の床・カウンター等の積極採用を前提に、シンプルな構造、方位・通風を読み込んだプラン提案を行います。自然素材の力と設計の力を合わせ、“健やかで、手入れが続けやすい家”を実現します。

要点:自然素材の採用は「感性の贅沢」ではなく、家族の健康を守るための実用的な選択。換気・断熱・通気の設計と併せて、素材そのものが発する余計な負荷を減らすことが大切です。

設計と暮らしの工夫で、自然素材の価値を最大化する

暮らし方の具体例

  • リビングは無垢床+通風ライン:南北に窓を抜き、春秋は自然な風で乾かす。夏は庇で直射をさけ、冬は日射取得と床の保温性で足元から快適に。
  • 水まわりは“木を見せる・守る”のバランス:手が触れるカウンターは無垢材で。水が跳ねる壁はタイルや珪藻土と組み合わせて、素材の適材適所を徹底。
  • 外部メンテは「小さく・早く」:春と秋に点検日を決め、雨樋・板塀・ウッドデッキを軽く洗う。大事に至らないうちに手当てするのが長持ちのコツ。

こうした工夫は大げさなものではありません。自然素材×設計×暮らし方が噛み合うと、無垢材の魅力は日々の実感として現れます。


Q&A:検索でよく聞かれる疑問に、先回りして回答

Q1. 自然素材の家はメンテナンスが大変ですか?
A. 大掃除の手間が増えるわけではありません。汚れは水拭き+中性洗剤で十分。無垢床のオイルは数年に一度の軽い塗り直しでOK。普段の「小さく・早く」が長持ちの秘訣です。
Q2. 無垢材と合板フローリングの違いは何ですか?
A. 無垢材は一本の木から切り出した自然素材で、調湿性・断熱性・経年美化が魅力。合板は寸法安定やコスト面で利点がありますが、手触りや温もりは異なります。好みと暮らし方で選びましょう。
Q3. 木のお家は将来の価値が下がりやすくないですか?
A. 値持ちは「立地・設計・維持管理」で決まります。適切な通気・雨仕舞い・メンテ計画がある木の家は、むしろ時間とともに味が出る点が評価されやすいです。法隆寺に代表される長寿命の実例がその可能性を物語ります。
Q4. 子どもが小さいのですが、床のキズが心配です。
A. 無垢材のキズは浅いことが多く、濡れ布+アイロンで繊維がふくらみ目立たなくなる場合があります。気兼ねなく遊べる床は、子育て期の安心感につながります。
Q5. 冬の底冷えに強いのは本当ですか?
A. はい。木の内部に含まれる空気が熱を伝えにくいため、体感温度が和らぎます。床暖房と併用する場合も相性は良好です。
Q6. 国産材を選ぶメリットは?
A. 日本の四季に鍛えられた材は、同じ環境に建つ家と相性がよく、供給のトレーサビリティや職人の経験知も蓄積しています。地域経済や森の循環に直接貢献できる点も魅力です。

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出典・参考:アップルホーム「木のコト。」(制作資料)より再構成。本文中の図解・表現はパンフレットの記述に準拠しています。

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