リフォーム

2025.10.07

10月7日は「盗難防止の日」。家を守る防犯・セキュリティ対策は“暮らし方×リフォーム”で始めよう

10月7日の盗難防止の日に、戸建ての玄関と窓の防犯対策を見直す家のイメージ

今日は何の日?――10月7日は「盗難防止の日」。
きょうをきっかけに防犯セキュリティ対策を暮らしにフィットさせることは、毎日の「安心の質」を上げる近道です。
私は建築士・インテリアコーディネーターとして、設計と暮らし方の両面から防犯を考え抜いてきました。端的に言うと、狙われにくい家は
“生活動線×建築ディテール×機器”の三位一体で形づくられます。そして、その要を担うのがリフォームです。

この記事の読みどころ:最初に優先順位を掴み、今日から実行できる具体策へつなげられるよう、戸建て・マンションそれぞれの勘所と失敗しない進め方を実例ベースでまとめました。

外構ライトが点灯した戸建ての夜景と人感センサーライト

1. 「狙われにくい家」に共通する原則

侵入に「時間」と「目線」をかけさせる家は、狙われにくくなります。外からの視認性、鍵・窓の強度、侵入後の動線把握のしづらさなど、障壁が増えるほど標的から外れやすくなります。

  • 玄関:ダブルロックサムターン防止ドアスコープ遮光で入口の難易度を底上げ。
  • 窓:割れにくい合わせガラス/破られても時間を稼ぐ防犯フィルム補助錠
  • 外構:人感センサーライト防犯カメラで「見られている感」を演出。
  • 生活:在宅を装う照明タイマー音(ラジオ等)で不在の気配を薄める。

入口の強化と“見える化”で、短時間では突破できない家をつくる。ここが防犯・セキュリティ対策の土台です。

2. まずは我が家の「弱点」を5分で把握する

リフォームの前に、手早いセルフ診断で効く対策の優先順位を決めましょう。防犯は「全部やる」より「効く場所に効く投資」。住まいの特性と暮らし方で最適解は変わります。

チェックリスト

  • 玄関:ディンプルキー? 補助錠は? ポスト口から手が入る形状では?
  • 窓:掃き出し窓に補助錠あり? 雨戸・シャッターの動作はスムーズ?
  • 勝手口:古い面格子やガラスのまま? 足場になる物が近くにない?
  • 外構:通りから家の出入りが見える? 不審者が隠れられる死角は?
  • 家族:合鍵の管理ルールは? SNSの位置情報オンのまま?

「どこを直すとリスクが下がるか」を早く見極める。これが賢いリフォームの第一歩です。

3. 侵入経路の定番を“ディテール”でふさぐ

玄関・窓・勝手口の三大ポイントを強化するだけでも、防犯の体感は大きく変わります。入口は構造的に弱く、心理的にも突破すべき最初の関門。ここに時間をかけさせれば、次の行動へ移りにくくなります。

  1. 玄関ドア:最新のスマートロック(解錠履歴・遠隔施錠)+ダブルロック化。古い扉はドア交換リフォームで断熱・遮音も同時に改善。
  2. :よく使う窓は合わせガラスへの入替、他は防犯フィルム面格子更新。引違い窓はクレセント錠の鍵付を採用。
  3. 勝手口:視線が届きにくい場所こそ狙われやすい。小窓格子センサーライトの併用、足場になりやすい物は移設。

4. 今日からできる“費用を抑えた”防犯アップデート

数千円~数万円でも、防犯レベルは確実に上がります。侵入者は「気配」で判断するため、小さな対策の積み重ねが「近寄りにくい印象」を作ります。

  • 表札・ポストの名前出し過ぎを見直す(在宅パターンの推測を防ぐ)。
  • 人感ライトソーラー表札灯で夜の死角を解消。
  • 裏庭や勝手口に砂利敷き(足音で気づく)。
  • 窓の補助錠クレセント錠の鍵付でワンアクション追加。
  • スマホで見られる簡易カメラを玄関・駐車場に。

「見られる・音が出る・開けづらい」を足し算。小さな投資でも効果は実感できます。

5. リフォームで実現する“本格セキュリティ”の選び方

後付け機器だけでは限界があります。構造や断熱と同時に設計へ組み込むと、強さと使いやすさが両立し、日々の運用もラクになります。

代表的なプラン

  1. 玄関ドア交換:高断熱×電気錠×2ロック。ワンデー施工で施解錠のストレスを解消。
  2. 窓改修:防犯合わせガラス+断熱内窓で、防犯・断熱・防音を同時に底上げ。
  3. 外構見直し:門塀の高さバランス、道路からの視線設計、見通しのいい植栽に更新。
  4. 宅配ボックス:不在時の荷物放置を減らし、留守の見える化を抑制。
  5. ガレージ計画:シャッター更新、シャッター用スマート開閉、車載カメラの死角補完。

6. 暮らし方と防犯をつなぐ「動線設計」のコツ

家族の帰宅・就寝・家事動線と、防犯ディテールをつなげると無理なく続く仕組みになります。使いにくさはそのまま弱点になるため、日々の流れに合わせて配置・設定を整えましょう。

  • 帰宅動線に自動施錠を配置し、鍵の閉め忘れをゼロへ。
  • 就寝動線でシャッター一括閉警戒モードへ切替。
  • キッチン近くにモニタースマホホルダーで通知を視認。
  • 子ども部屋は内窓で遮音+補助錠。ベランダははしごになる家具を置かない。

7. スマートホーム×セキュリティの賢い足し算

スマートロック、ネットワークカメラ、人感センサーは連携させてこそ真価を発揮します。個別導入だと通知過多や電池切れに悩まされがち。シーン連動と電源計画で負担を抑えましょう。

  • 外出:施錠→照明OFF→カメラ録画ONをワンタップで。
  • 帰宅:解錠→玄関・廊下照明ON→空調ON。就寝時は弱警戒モードへ。
  • 電源:屋外カメラは有線・PoEや近接コンセントで安定運用。
  • 通信:ルーターのゲストWi-Fiで家族と来客のネットワークを分離。

8. マンションの防犯は“共用部”とセットで考える

室内だけでなく、エントランス・エレベーター・各階廊下などの共用動線を把握すると、専有部の対策が研ぎ澄まされます。見通しや照度は狙われやすさに直結します。

  • 玄関前:ドアスコープカバー戸当たりゴムの交換で静音化・視線対策。
  • バルコニー:目隠しは「抜け感」を残し、乗り越え防止を意識。
  • 窓:上階でも補助錠防犯フィルムを習慣化。

9. 子ども・高齢者と一緒に守る「暮らしのルール」

家族の行動ルールが、最高のセキュリティ対策になります。設備が整っていても運用で穴が開けば台無し。家族参加が要です。

  • 合鍵は個別管理、写真SNSアップは厳禁
  • 「最後に出る人が一括チェック」の当番制。
  • インターホン対応は名乗らない顔を見せない
  • 帰宅時は鍵を出してから玄関へ。立ち止まって探さない。

10. 保険・補助金・規格の基礎知識

用語と制度を押さえると、費用対効果が上がります。「何が対象?」「どの仕様が安心?」を明確にし、ムダのない投資につなげましょう。

  • 防犯建物部品(CP):侵入に時間を要する性能基準を満たす建具・錠の目印。
  • 火災保険・家財保険:盗難被害時の補償範囲や条件を確認。窓・ドアの仕様変更で割引適用の可能性も。
  • 自治体の補助制度:防犯カメラ・玄関ドア・シャッターの補助が出る地域あり(年度・自治体により異なります)。

※具体の適用可否・条件は最新情報をご確認ください。

11. 施工の流れと費用感

診断→設計→施工→運用の順に、専門家が一貫して伴走してくれる体制が安心です。バラバラ導入は抜け漏れや相性問題の原因。まとめて設計すれば、見た目も動線も美しく整います。

標準フロー

  1. 現地診断:侵入経路・死角・照度・施錠習慣を確認。
  2. プラン提案:予算×効果×デザインで優先順位を設計。
  3. 施工:玄関ドアは1日、窓改修は2~3日、外構は規模により数日~。
  4. 運用ガイド:アプリ設定・鍵管理・家族ルールの確認。

※現場条件により工期・費用は変動します。まずはご相談ください。

12. よくある質問(Q&A)

Q1. 防犯と断熱・デザイン、同時に叶えられますか?
はい。玄関ドア交換や内窓追加は、防犯と断熱・遮音・意匠を同時に向上できます。
Q2. 小さな子どもがいても使いこなせますか?
自動施錠や一括操作を取り入れれば、複雑な操作は不要。家族の年齢に合わせて設定できます。
Q3. マンションでもできるセキュリティ対策は?
室内側の補助錠・防犯フィルム・ドアスコープカバーは多くの管理規約で許容範囲。共用部に関わる工事は管理組合に確認を。
Q4. 防犯カメラは目立たない方が良い?
抑止目的なら適度に見える位置が有効。意匠上の主張は外構計画でバランスをとります。
Q5. 費用対効果を最大化する優先順位は?
玄関ドア→よく使う窓→勝手口→外構照明→カメラの順が基本。家の条件で微調整します。
Q6. 補助金や保険の活用は?
自治体の補助制度や火災・家財保険の割引が適用されるケースがあります。個別に最新情報をご確認ください。

13. 関連リンク

14. 関連商品

住まいの防犯セキュリティ対策を、暮らしに合わせて最適化するリフォームをご提案しています。

リフォーム(アップルホーム・企業向け)
リフォーム(アップルリフォーム)

15. きょうから始める一歩(まとめ)

「盗難防止の日」の今日こそ、家族を守る仕組みづくりを始めるのに最適です。狙われにくい家は、日常の小さな積み重ねと、住まいに合ったリフォームの組み合わせで実現します。

  • 今すぐ:チェックリストで弱点を把握し、照明と補助錠から着手。
  • 1か月以内:玄関・窓・勝手口を中心にセキュリティ対策プランを作成。
  • 半年以内:断熱・意匠も含めた総合リフォームで、暮らしの質を底上げ。

小さな一歩が、長い安心をつくります。私たちが伴走します。

見て・触れて・相談できる場をご用意しています。
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リフォーム担当者と防犯計画を相談する家族の様子

本記事は、一般的な防犯・セキュリティ対策の考え方をまとめたものです。建物の構造・地域・家族構成により最適解は異なります。現地調査のうえ、最適なプランをご提案します。

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